新型コロナウイルス感染防止対策指針

2021年7月29日版

特定非営利活動法人ディスカバー・リアス

1. はじめに

新型コロナウイルスが世界的に蔓延しているなか、社会活動を再開させるため、日本では、厚生労働省の感染防ガイドラインを基本として様々な分野で感染防止策が取られている。そこで当NPOディスカバー・リアスは、同法人が企画・運営するスポーツイベントについて、スポーツ庁・日本スポーツ協会・日本陸上連盟・日本トレイルランナーズ協会・岩手県などが策定した新型コロナウイルス感染防止ガイドラインをもとに、感染リスクを軽減させるための取り組みを行っている。本指針をもって感染予防対策を徹底させることにより、イベント参加者はもちろんのこと、スタッフおよび関係者が安心安全に行動できる環境を作る。そして、当NPOが掲げるイベント開催理念「三陸から日本を、そして世界を元気にしていく」をモットーとして、社会活動再開の一翼を担うことを目指す。

2.本指針作成にあたっての基本ガイドライン

新型コロナウイルスの感染リスク・感染拡大因子として、 (ア) 飛沫(会話・咳などによる感染)、(イ) 接触 (汚染された手で触れることによる感染)、(ウ)
一定時間の密閉空間での滞在(換気が悪い閉鎖された近距離での人と会話する等の一定の環境)が、考えられている。従って、これらの観点に基づき、当NPOが開催するスポーツイベントにおける新型コロナウイルス感染防止策を掲げた。

本指針は、文部科学省が掲げるスポーツ関係の業種別ガイドライン、すなわち公益財団法人日本スポーツ協会、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会の「スポーツイベント再開に向けた感染拡大予防ガイドラインについて」を基本とし、陸上競技、トレイルランニング団体のガイドラインも加味して、当NPOが独自に作成したものである。現在もなお新型コロナウイルスの感染状況が変化する中、今後の科学的知見や国内の感染状況の変化などにより逐次、内容を見直し更新する可能性はある。またイベント開催地である岩手県においても新型コロナウイルス感染拡大が危惧されているため、岩手県独自の感染防止措置、「岩手警戒宣言」が、令和3年7月初旬に発表された。この宣言に準拠し、自然豊かな岩手県での安心安全なイベント開催に向け、計画と運営を進めていく。

3. イベントの計画と運営

イベント開催にあたり、その計画は、開催する都道府県の新型コロナウイルスの感染予防の方針の遵守を前提に、開催にあたり説明や相談が必要な関係者(一般的に、歩道管理者、地権者、自治体、消防、警察、搬送先病院、利用施設管理者等)に対して、当NPOが掲げる感染防止対策について十分な説明と協議を行う。

非流行地域への感染者の流入及び開催エリアでの感染拡大を防止する観点から、参加者等に係る居住エリアの判る名簿を作成して連絡先等を把握する。さらにSNS等を用いて開催中やその前後における参加者の健康状態等の管理を行なう。これらの情報を総合的に判断し、感染拡大防止が担保されないと判断された場合は、申し込みや参加の見合わせを求めたり、制限するなどの適切な対応を行うこととする。

4. 感染予防対策

(1)体調管理

イベント参加者およびイベントスタッフ、ボランティアスタッフは常に体調管理に努め、イベント開催の2週間前からは携帯端末のアプリケーション(以下、健康アプリ)を使用した体調管理を行い、健康状態をイベント管理者にweb報告するように義務付けることとする。事前から健康状態を把握し、その結果、感染の可能性があると考えられる症状が出た場合には、イベント参加を見送るなど、イベント開催に伴う感染拡大のリスクを最小限にする。感染又は濃厚接触に該当する状況になった場合は、感染経路の特定のために、異常を感じた日からさかのぼり2週間前までの下記の項目を 記録し、検温・体調・行動記録の提出を求められた場合に即時に提出できるような体制を整える。

さらにイベント終了後2週間は、健康アプリによる健康管理を継続して行う。入力がない者に対してはSNSを介して状態を入力するように注意喚起する。

携帯端末アプリによる体調チェックは下記の如くに行う。

①イベント開催2日間及びその前後2週間、合計16日間の健康状態についてチェックする

②体温・体調(咳、鼻水、咽頭痛、下痢、味覚・嗅覚障害などの自覚症状)

③濃厚接触(症状を有する感染者とその発症した 2 日以内に、マスクなしで 1 メートル以内かつ 15 分以上の会話があった者)の有無

(2)イベント参加の可否

・令和3年7月時点でも、感染状況が変化しているため、居住する都道府県における直近の感染状況ならび地方自治体が発令する措置を踏まえてイベント参加の可否を判断する。

・原則として下記事項に該当する者は、当日のイベント参加は不可とする。

①イベント開催2週間以内に発熱、体調不良(咳、倦怠感、咽頭痛、味覚異常など)の症状がある者。ただし、医療機関をすでに受診してコロナウイルス感染が強く否定されている場合を除く。イベントへの参加を考慮すると、可能であればPCR検査を実施してもらうことが好ましい。

②緊急事態宣言が発令されている地域に居住する参加者

③まん延防止等重点措置が発令されている地域に居住する参加者

④地域自治体独自の感染防止策が取れている地域に居住する参加者で、不要不急の外出や境界を超える移動の自粛策が措置に組み込まれている場合

・直近1週間の新規感染者数が人口10万人あたり15人以上の地域からの参加は慎重判断とする。

・現在のところ、イベント参加者が50人程度と比較的小規模である。従って、イベント開催1週間時点において、イベント主催担当者が参加者と個別に連絡(電話もしくはSNSによる)をとり、感染状況と各地域の感染防止策とを考慮した上でイベント参加の可否を決定する。イベントスタッフに関しても同様な管理体制を行う。

(3)イベント受付時での留意点

受付時には、参加者が密になることにともない感染リスクが増大することが考えられる。また、感染の疑いがある者をイベントに参加させない「ゲート」でもある。下記の点に注意して受付業務を行う。

①受付窓口にアルコール等の手指消毒剤を設置し手指消毒を行わせると共に、マスクの着用を義務付ける。

②屋内にて人と人が対面する場所では、感染予防の観点から応対を行うスタッフは、マスクやフェイスガード等で必要な感染予防措置を講じる。

③参加者が距離をおいて並ぶことができるように、目印の設置等を行う。

④受付時に検温を行い、体調に異変がないか確認する。37.5度以上の発熱者、また平熱であっても咳・咽頭痛などのかぜ症状や体調不良がある者は、イベント参加を見合わせる。

⑤さらに健康アプリの入力状況を確認し、体調に問題がないか確認する。事前に過去2週間における各個人の体調の結果、アプリケーションを介して確認し、結果を参加者名簿一覧に記入しておく(例:健康状態~良好ないし不要) 

⑥インターネットやスマートフォンを使った電子的な受付の一層の普及を図り、受付場所で対面時間を減らしていくように検討を重ねる。

(4)飛沫感染、接触感染のリスク対策

イベント会場やスタート地点、ゴール地点、エイドステーション、一般公道、宿泊場所では、下記の点に注意してイベントに参加するように注意喚起する。

①会話は最小限に留める。

②レース会場において、人が密集する場所あるいはエイドステーションには、主催者が手指消毒用の薬液を設置する。各自薬液ボトルから適量を取り、手指消毒をする。なお、主催者が用意する消毒液(アルコール消毒剤あるいは、ほか一般的な消毒剤)に過敏性を有する人は、各自にて適切な消毒液を持参し、適宜使用すること。

③飲食時以外は、マスクの着用をすること。イベントにおいて、マスクの着脱が頻回に及ぶため、マスクは複数枚携帯し、清潔なものを使用すること。また使用したマスクは、放置せず必ず各自持ち帰るようにする。

④スタート時の注意事項

スタート時は多くの人が密集する。感染リスクを下げる為に以下の方法を検討する。

・参加者に対し、整列またはスタート直前までマスクの着用をお願いすること。近距離での大きな声での会話はしないよう協力を求める。

・スタート直前まで選手間距離を進行方向に対して1m以上空けるように指示する。

・上記の対応が取れない場合は、少人数ずつ時間間隔を開けてスタートするウエーブスタート制を検討する。

⑤スタート後/ゴール後の注意事項

スタート後、指定区間(指定区間の終了地点には、その旨の表示あり)までは、マスク着用を義務付け、それ以後は呼吸抑制リスクによるスポーツ障害を回避するために、マスク着用義務を解除する。またゴール後は運動による呼吸障害がないことを各自確認したのちにマスクを着用する(ゴール手前からマスク着用を促す案内あり)。なお、ゴール後、呼吸が苦しいなど体調上の理由でマスク着用が困難な場合は、速やかにイベントスタッフに申し出て、その指示に従うこと。

⑥走行中の注意事項

・走行中の位置取りでは、トレイルや道路などで他の競技者との間隔が確保できる場面では、前の人の呼気の影響を避けるため、並走やあるいは斜めやや後方に位置取ることを奨励する。

・追い抜きする時は、前走者にその旨の声かけを行い、十分な距離をもって行うこと。

・走行中に唾や痰を吐かないこと。

・タオルの共用はしないこと。

・休憩所などに類する場所での飲食については、指定場所以外で行わず、周囲の人とできるだけ距離をとり、対面は避けて会話は控えめにすること。

⑦エイドステーションでの注意事項

・エイドステーションでは、選手への水やスポーツドリンク給水、フードの受け渡しは感染防御装備をしたスタッフが行う。人の手を介さないように個別包装されたボトルでの給水、食料を提供する予定である。またマイコップの使用等を義務づけ、他人の手を介する感染リスクを軽減させる。

・エイドステーションにしばらく滞在する時は、体調に異変がないことを確認してマスク着用をする。呼吸困難などがあり、マスク着用が困難な場合は、エイドから離れた場所で呼吸を整え、エイドステーションに入ること。エイドステーション手前では、何らかの手段を用いて、マスク着用を促す案内をする。

⑧仮設トイレおよび手洗い場の注意事項

トイレは感染リスクが比較的高いと考えられるため、以下に配慮して管理する。

・主催者が管理する仮説トイレで、複数の参加者が触れると考えられる場所(ドアノブ、水洗トイレのレバー等)については、こまめに消毒する。

・蓋があるトイレでは閉めて汚物を流すよう表示する。

・手洗い後に手を拭くため、参加者にマイタオルの持参を求める。

・トイレの順番待ちは、できるだけの距離(最低1m)を確保して並ぶこと。

⑨参加は二人ペアでの参加となるため、近距離で過ごすことが多くなることが想定される。お互いに感染症対策に努め、飲食時以外のマスク着用、長時間の会話を避け、ソーシャルディスタンスを確保しながらのイベント会場への往来、イベント参加中の感染防止に努める。また主催者と参加者、参加者同士の連絡は、主としてSNS を活用 したコミュニケーションを図り、感染防止に努める

⑩ゴミ処理に関する注意事項

・イベント開催に際して生じるゴミに関しては、鼻水・唾液など汚染物が付いたゴミが入っていることを想定しビニール袋等に入れて密閉して縛るほか、ゴミを回収する人は、マスクや手袋を着用し、マスクや手袋を脱いだ後は、必ず手を洗うなど手指消毒をすること。密閉したゴミ袋は自治体の指定する場所に廃棄すること。

・レース中の参加者各個人によるゴミに関しては、感染拡大防止の観点から現場での廃棄はしない。そのため、主催が参加者に受付時に密閉できるゴミ袋(ジップロックなど)を配布し、これに収納して各自ゴール地点まで持ち運んで廃棄することとする。従って、エイドステーション、コース上へのゴミ箱の設置は行わない。

5.感染者が発生した場合の対応

①イベント開催期間中に新型コロナウイルス感染を疑わせる何らかの症状有する者が発生した場合

・感染を疑わせる症状が出現した場合、イベント現地もよりの受診・相談センターに電話にて相談する。必要に応じて現地医療機関を受診し、診察を受け医師の指示/治療に従う。PCR検査の対象となった場合は、保健所の指導に従って行動する。

・PCR 検査で陽性反応が出た場合の対応:イベントを中止し、保健所の指導に従う。PCR検査結果の判明は週明けになる可能性があり、多くの参加者はそれぞれの地域へと帰宅している。よってイベント開催中に感染した疑いのある者が医療機関を受診した時点で、感染拡大を防止する観点から、感染疑い該当者のPCR結果判明するまで、参加者全員には、帰宅後自宅待機として、他人との接触を避けてもらうこととする(濃厚接触者を作らない)。検査結果については、大会本部から個別に連絡するとともに健康状態を確認する。もしも、保健所が帰宅した参加者を現地での濃厚接触者であると判断された場合は、各地域管轄の保健所の指示に従う。

②イベント開催後に感染疑い症状ならびにPCR検査陽性者が発生した場合

イベント開催後(概ねイベント開催から2週間以内)、各自が居住する地域にて、発熱や倦怠感、咳など感染を疑わせる症状が出現した場合、すみやかに医療機関もしくは各居住地の受診・相談センターに電話にて相談すること。必要であれば医療機関受診し、治療/指示を受けること。PCR検査対象となり同検査が施行され、PCR陽性となった場合は、各地域の医療機関および保健所の指示に従い治療し、さらには感染拡大防止に努めること。イベント関連感染クラスター対策として情報を共有するため、症状発生および医療機関を受診した場合は、本イベント本部まで連絡することとする。この際、個人情報の取り扱いには十分に注意し、情報の漏洩が無いように徹底させる。また保健所から情報の問い合わせがあった場合、本イベントのコロナ対策担当者が対応する。

6. イベントに参加するすべて人が濃厚接触者の関係にならないため注意点

濃厚接触者とは、新型コロナウイルス感染症の患者(無症状病原体保有者を含む)と感染可能期間に接触した者のうち、次の範囲に該当する者を定義される。

①患者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者

②適切な感染防護無しに患者を診察、看護若しくは介護していた者

③患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者

④その他:手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル)で、必要な 感染予防策なしで、患者と 15 分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状 況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断されます) 。

よって、参加者各々が濃厚接触者とならないためには、上記①~④となる行動は回避することが求められる。

7.宿泊およびキャンプファイヤーについて

・宿泊においては、上記感染対策を行なうとともに、宿泊予定施設「岩手県立陸中海岸青少年の家」にて規定されている規則(添付資料1)を遵守して感染防止に努める。

・本イベントでは1日目のゴール後、同施設の屋外において小規模ではあるが、屋外で焚き火を囲んでの飲食の提供を伴うキャンプファイヤーを開催予定である。開催にあたり、下記の点に留意して感染防止に努める。

①参加者が飲食物を手にする前に、手洗い、手指消毒を行うよう声を掛けること。 

②飲料については、ペットボトル、缶などで提供する。

③軽食の食品については、参加者が同じ大皿から取り分ける方式を避け、一人分を小皿に取り分けたものを参加者に提供するなどの工夫していく。 

④飲食物を取り扱うスタッフにはマスクを着用させ、手指衛生に留意した指導をすること。

⑤開催時点での当該地域の感染状況により感染リスクが高まったと判断される場合、同施設から中止指示等があった場合は開催を取りやめる。

8. コース上で応援する観客への対応 

・主催者が管理する場所において選手を応援する観客に対しては、上記感染予防対策を取ると共に、周囲の人となるべく距離を取るなど密な状態とならないよう配慮を求めること。

・大きな声での会話、応援などをしないこと、会話をする場合にはマスクを着用すること等の留意事項を注意喚起周知すること。

9. 式典の開催の簡略化

開・閉会式、表彰式などでは、参加者が密になる可能性が高いので、上記感染予防対策に従い、式典参加者の数を減らしたり、内容を簡略化するなど必要性に応じながらも柔軟な対応をしていく。

また開催にあたっては (ア) 屋外での開催 (イ) 関係者のみの開催 (ウ) 開催しないなど、その時の状況を判断していく。

10. 運営スタッフの体調確認など

・ボランティア募集時にはイベントの感染予防対策を理解した上で、参加の確認や承認してもらい参加申し込みしてもらう。

・イベント開催においては運営に関わるスタッフの検温を実施し、参加者同様に健康アプリによる体調管理/確認を行う。

・すべてのスタッフにはマスク着用を義務付け感染防止に努める。

・イベント開催中は感染防止の観点から、参加者、スタッフ同士の接触機会を減らすように努める。


<出典・参考資料>

令和3年2月17日付 スポーツ庁

「社会体育施設の再開に向けた感染拡大予防ガイドライン(改訂版」」

令和3年2月15日付 公益財団法人日本スポーツ協会発表

「スポーツイベント再開に向けた感染拡大予防ガイドライン(改訂版)」

令和3年1月15日付 日本陸上競技連盟

「陸上競技活動再開のガイダンス(改訂版)】

令和2年6月1日 日本トレイルランナーズ協会・一般財団法人日本トレイルランニング協会

「トレイルランニング競技に関わるイベント等再開時のガイドライン」

令和3年7月9日 岩手県

「岩手警戒宣言」

<添付資料1>
令和2年7月7日 岩手県

「岩手県立陸中海岸青少年の家における宿泊研修の当面の基本的な対策・対応について【概要版】


以上


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