昨年3月11日、私たちNPOディスカバー・リアスは「ステージレース三陸311」の計画を発表しました。このレースを一口で言うと「岩手県宮古市から宮城県南三陸町まで、全長311kmを6日間かけて走る旅のようなランニングレース」です。このイベントには、超長距離に挑みたいランナーの皆さん、そして復興してきた三陸を訪れたい皆さんに興味を持っていただき、今年2021年秋に開催する予定でした。
ところがその後、予想を大幅に上回る新型コロナウイルスの感染拡大により、東京オリンピック・パラリンピックをはじめ多くのスポーツイベントが延期あるいは中止。私たちのステージレースも、当初の計画を変更せざるを得なくなりました。
しかし私たちは、このコロナ禍に直面したことで、それまでとは違うこのイベントの価値を見出すことができました。東日本大震災から10年を迎えようとした時に勃発した地球規模の大感染。世界中が落ち込んでいる現在、あの未曾有の大災害から立ち直ってきた三陸を走ることで、今の日本に、そして世界に少しでも元気と勇気をもたらすことができるのではないか。大それた考えかもしれませんが、それだけのパワーと魅力が三陸という地域にあると私たちは信じています。
今の社会状況では311kmを6日間かけて走るレースの開催は困難です。しかし規模の小さい短期間のイベントならば感染防止対策を講じることで実施できます。今年2021年、私たちNPOディスカバー・リアスは3つのイベントを開くと共に、そのイベントを通じて三陸の魅力を発信していく活動を行うことにしました。そして来年以降、311kmフルコースのステージレース実現につなげていきます。多くの皆さんのご参加そしてご協力をお待ちしています。
東日本大震災から10年目の3月11日を前に
特定非営利活動法人ディスカバー・リアス 代表理事 中尾益巳